自宅でできる簡単な浸水対策|今すぐ始める水害対策

近年、日本各地で台風や集中豪雨による浸水被害が深刻化しています。 これまで水害とは無縁だと思われていた地域でも、突然の大雨によって床上浸水や床下浸水の被害を受けるケースが増えてきました。 大切な家族と住まいを守るためには、日頃からの備えと緊急時にすぐ実践できる対策を知っておくことが欠かせません。

この記事では、特別な道具や専門知識がなくても今すぐ始められる簡単な浸水対策を詳しく解説します。 家にあるもので作れる簡易水のうの作り方から、効果的な浸水対策グッズの選び方、避難時に役立つ準備まで、幅広くご紹介していきます。 浸水被害が増えている背景を理解したうえで、自分の住まいに合った対策を見つけてください。

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浸水被害が増えている背景を知る

浸水対策を効果的に行うためには、まず水害がなぜ起こるのかを理解しておくことが大切です。 日本では毎年のように台風や豪雨による被害が報告されており、その規模は年々拡大する傾向にあります。 2019年の令和元年東日本台風では、過去最大の水害被害額を記録しました。 また、2020年の令和2年7月豪雨では九州地方を中心に甚大な被害が発生しています。

こうした水害の増加には、地球温暖化による気候変動が大きく関係していると言われています。 海水温の上昇によって台風が勢力を維持したまま日本に接近するケースや、短時間に記録的な大雨が降るゲリラ豪雨の頻発が目立つようになりました。 自然災害を完全に防ぐことはできませんが、被害の仕組みを知ることで適切な対策を講じることができます。

外水氾濫と内水氾濫の違い

浸水被害は大きく分けて外水氾濫と内水氾濫の2種類があります。 それぞれ発生するメカニズムが異なるため、必要な対策も変わってきます。 まずは自分の住んでいる地域がどちらの被害を受けやすいのかを把握しておきましょう。

外水氾濫とは、長雨や豪雨によって河川の水位が上昇し、堤防を越えて市街地に水があふれ出す現象です。 堤防が決壊した場合には、土砂を含んだ大量の水が勢いよく流れ込み、住宅や車が押し流されることもあります。 外水氾濫は被害の規模が大きくなりやすく、復旧にも長い時間がかかるのが特徴です。

一方、内水氾濫は市街地の排水能力を超える雨が降った際に発生します。 下水道や側溝から水があふれ出したり、マンホールから水が噴き出したりする現象がこれに当たります。 用水路や排水路の水があふれることで、河川から離れた場所でも浸水被害が起こるのが内水氾濫の怖いところです。

種類発生メカニズム特徴
外水氾濫河川の増水・堤防決壊被害規模が大きく、復旧に時間がかかる
内水氾濫排水能力を超える雨量河川から離れた場所でも発生する

内水氾濫では下水が逆流することもあるため、トイレや浴室からの浸水にも注意が必要です。 悪臭や感染症のリスクも伴うため、後述する逆流防止の対策も重要になってきます。

都市型水害が増加する原因

近年、特に問題視されているのが都市型水害と呼ばれる浸水被害です。 都市部では地面のほとんどがアスファルトやコンクリートで舗装されているため、雨水が地中に染み込みにくい環境になっています。 降った雨は地表を流れて排水溝や下水道に集中するため、短時間の大雨で排水能力が限界を超えてしまいます。

また、都市部の河川は効率的な土地利用のために直線的に整備されていることが多く、水の流れが速くなりやすい構造をしています。 上流から一気に水が流れ込むと、下流域で急激な増水が起こり、氾濫につながるリスクが高まります。 さらに、都市部には地下鉄や地下街、地下駐車場といった地下構造物が多く存在します。

地下空間は水が流れ込みやすく、一度浸水すると排水が困難になるという特徴があります。 2019年の台風19号では、川崎市の武蔵小杉駅周辺で地下施設への浸水被害が発生し、大きなニュースとなりました。 こうした都市型水害は日本だけでなく、世界中の都市で増加傾向にあります。

都市型水害が発生しやすい条件をまとめると、以下のようになります。

  • 地表面の大部分がアスファルトやコンクリートで覆われている
  • 河川が直線的に整備され、水の流れが速い
  • 地下鉄や地下街などの地下構造物が多い
  • 人口が密集しており、被害が広範囲に及びやすい

自分の住んでいる地域の特性を理解し、それに合った浸水対策を講じることが大切です。

自宅の浸水リスクを確認する方法

効果的な浸水対策を行うためには、まず自分の住まいがどの程度の浸水リスクを抱えているのかを把握する必要があります。 浸水リスクの確認に最も役立つのがハザードマップです。 ハザードマップを活用することで、自宅周辺の危険度や避難経路、避難場所などを事前に確認できます。

ハザードマップの入手方法

ハザードマップは複数の方法で入手することができます。 最も手軽なのは、国土交通省が運営するハザードマップポータルサイトを利用する方法です。 パソコンやスマートフォンからアクセスすれば、全国各地のハザードマップをすぐに確認できます。

紙のハザードマップが欲しい場合は、市区町村の役所窓口で入手できます。 防災担当課や危機管理課といった部署で配布していることが多く、無料で受け取れます。 また、地域によっては市民センターや公民館、図書館などでも配布しています。

自治体によっては、転入届の提出時にハザードマップを配布しているところもあります。 引っ越しをした際には、新しい住まいの浸水リスクを必ず確認するようにしましょう。 最近はスマートフォン向けの防災アプリでもハザードマップを閲覧できるようになっています。

ハザードマップの見方と活用ポイント

ハザードマップには様々な情報が記載されていますが、特に確認すべきポイントは浸水想定区域と浸水深です。 浸水想定区域は色分けされて表示されており、色が濃いほど浸水のリスクが高いことを示しています。 自宅がどの色の区域に入っているかを確認し、想定される浸水深を把握しておきましょう。

浸水深は「0.5m未満」「0.5〜3m」「3〜5m」といった形で段階的に表示されています。 0.5m未満であれば床下浸水程度で済む可能性がありますが、0.5mを超えると床上浸水のリスクが高まります。 3mを超える浸水深が想定される場合は、2階建ての住宅でも1階部分が完全に水没する可能性があります。

ハザードマップを活用する際のチェックポイントは以下の通りです。

確認項目確認すべき内容
浸水想定区域自宅が色付けされた区域に入っているか
浸水深想定される浸水の深さはどの程度か
浸水継続時間浸水がどのくらいの時間続くか
避難場所最寄りの指定避難場所はどこか
避難経路安全に避難できるルートはどこか

ハザードマップはあくまでも想定に基づいて作成されているため、実際の被害が想定を上回る可能性もあります。 色が付いていない地域でも、周囲より土地が低い場所や崖の近くでは注意が必要です。 ハザードマップの情報を過信せず、常に最悪の事態を想定した備えを心がけましょう。

今すぐできる簡単な浸水対策

台風の接近や大雨の予報が出たとき、すぐに実践できる簡単な浸水対策を知っておくことは非常に重要です。 ここでは、家にあるもので今すぐ始められる浸水対策をご紹介します。 どれも特別な道具や技術は必要なく、誰でも短時間で実践できる方法ばかりです。

簡易水のうを身近なもので作る

土のうは浸水対策の定番グッズですが、突然の大雨では入手が難しいこともあります。 そんなときに役立つのが、家にあるもので作れる簡易水のうです。 ゴミ袋と水さえあれば、15分程度で効果的な浸水対策ができます。

簡易水のうの作り方はとてもシンプルです。 まず、40〜45Lサイズのゴミ袋を二重にして強度を高めます。 袋の半分程度まで水を注ぎ入れ、中の空気を抜きながらしっかりと口を閉じます。

作成した簡易水のうは段ボール箱に詰めて使用すると効果的です。 玄関や勝手口など、水が浸入しやすい場所に隙間なく並べて設置します。 レジャーシートやブルーシートで全体を包むと、さらに止水効果が高まります。

簡易水のうの作成手順をまとめると以下のようになります。

  • 40〜45Lのゴミ袋を二重にする
  • 袋の半分程度まで水を入れる
  • 空気を抜きながら口をしっかり閉じる
  • 段ボール箱に詰めて補強する
  • 出入口に隙間なく並べて設置する

ポリタンクに水を入れてレジャーシートで包む方法や、土を入れたプランターを活用する方法も有効です。 いずれも自宅にあるもので代用できるため、緊急時の対策として覚えておくと安心です。

下水の逆流を防ぐ応急処置

大雨の際には下水管が満水状態になり、トイレや浴室の排水口から下水が逆流することがあります。 下水の逆流は悪臭を放つだけでなく、感染症のリスクも伴う深刻な被害です。 事前に対策をしておくことで、逆流による二次被害を防ぐことができます。

最も手軽な応急処置は、簡易水のうで排水口をふさぐ方法です。 トイレの便器、浴室の排水口、洗面台の排水口、キッチンの排水口など、すべての排水口に水のうを設置します。 ビニール袋に水を入れて結んだものを便器や排水口に置くだけで、逆流を防ぐ効果があります。

下水の逆流対策で押さえておくべきポイントは以下の通りです。

対策箇所具体的な方法
トイレ便器内に水を入れたビニール袋を設置
浴室排水口に水のうを置いて密閉
洗面台排水口を水のうでふさぐ
キッチンシンクの排水口に水のうを設置

浸水中はトイレの使用を控えることも重要です。 無理に使用すると逆流した汚水が室内に広がり、衛生状態が著しく悪化します。 簡易トイレを事前に準備しておくと、浸水時でも安心してトイレを済ませることができます。

側溝や雨水ますを清掃しておく

日頃からできる簡単な浸水対策として、側溝や雨水ますの清掃があります。 落ち葉やゴミが詰まっていると排水機能が低下し、道路の冠水や周辺への浸水につながります。 台風シーズンが近づいたら、自宅周辺の側溝や雨水ますを点検しておきましょう。

雨水ますとは、道路わきに設置されている格子状の蓋がついた排水設備です。 雨水ますの上にビニール袋や落ち葉が溜まっていると、雨水がます内に流れ込めなくなります。 定期的に清掃することで、地域全体の排水機能を維持することができます。

ただし、豪雨のさなかに屋外で作業を行うのは大変危険です。 清掃作業は天気予報を確認し、大雨の前日や雨が弱いうちに済ませておくのが鉄則です。 作業の際は滑りやすい場所に注意し、無理のない範囲で行いましょう。

側溝や雨水ますの清掃で注意すべき点は以下の通りです。

  • 大雨の予報が出たら前日までに作業を完了する
  • 豪雨のさなかには絶対に屋外作業をしない
  • 滑りやすい場所での転倒に注意する
  • 一人での作業が難しい場合は家族や近隣と協力する

地域の排水機能を維持することは、自分の住まいだけでなく近隣全体の浸水対策につながります。 日頃から近所の方々と協力して、地域ぐるみで浸水対策に取り組むことが大切です。

貴重品や重要書類をまとめて高所へ移動

浸水被害が発生した場合、床上まで水が入り込むと家財道具や重要書類が水没してしまいます。 大雨の予報が出たら、貴重品や重要書類を早めに高い場所へ移動させておきましょう。 避難が必要になった際にもすぐに持ち出せるよう、一箇所にまとめておくと便利です。

高所へ移動させるべき貴重品・書類には以下のようなものがあります。

カテゴリー具体例
貴重品現金、通帳、印鑑、クレジットカード
重要書類保険証、マイナンバーカード、パスポート
思い出の品写真、アルバム、記念品
電子機器パソコン、ハードディスク、充電器

理想的な保管場所は2階や屋根裏など、浸水の影響を受けにくい場所です。 1階建ての住宅の場合は、できるだけ高い棚の上に移動させましょう。 防水性のある袋やケースに入れておくと、万が一の浸水時にも被害を最小限に抑えられます。

貴重品の移動は時間に余裕があるうちに済ませておくことが重要です。 避難が必要になった場合は人命を最優先とし、貴重品の持ち出しは余裕がある場合のみに限りましょう。 事前に持ち出し品リストを作成しておくと、慌てずに行動できます。

日頃から備える浸水予防策

緊急時の対策だけでなく、日頃から浸水に備えた予防策を講じておくことも大切です。 ここでは、普段の生活の中で取り組める浸水予防策をご紹介します。 長期的な視点で住まいの防災力を高めていきましょう。

雨水の流出を抑える工夫

敷地内に降った雨水をゆっくりと排水したり、地中に浸透させたりする工夫は、地域全体の浸水リスク軽減に貢献します。 各家庭で少しずつ雨水の流出を抑えることで、下水道や河川への負担を減らすことができます。 自治体によっては設備の設置に対する補助金制度を設けている場合もあります。

雨水貯留タンクの設置

雨水貯留タンクは、屋根に降った雨水を一時的に溜めておく設備です。 雨どいから流れ込む雨水をタンクに貯留することで、下水道への急激な流出を防ぐことができます。 貯めた雨水は庭の水やりや洗車、災害時の生活用水としても活用できます。

雨水貯留タンクの容量は50Lから200L程度のものが一般的で、ホームセンターでも購入できます。 設置費用は容量によって異なりますが、タンク本体で1万円〜3万円程度が目安です。 自治体の補助金を利用すれば、費用の一部を助成してもらえる場合があります。

雨水貯留タンク設置のメリットは以下の通りです。

  • 下水道や河川への雨水流出を軽減できる
  • 貯めた雨水を庭の水やりや洗車に活用できる
  • 災害時の生活用水として備蓄できる
  • 水道代の節約につながる

設置を検討する際は、まずお住まいの自治体の補助金制度を確認してみましょう。

透水性舗装や浸透ますの活用

庭や駐車場を舗装する際には、透水性舗装を選ぶことで雨水を地中に浸透させることができます。 通常のアスファルトやコンクリートは雨水を通さないため、地表を流れて排水溝に集中してしまいます。 透水性舗装は雨水を地中に逃がす構造になっており、浸水リスクの軽減に効果的です。

雨水浸透ますは、雨どいからの雨水を地中に浸透させるための設備です。 通常の雨水ますは雨水を下水道に流す構造ですが、浸透ますは底面や側面から雨水を地中に浸透させます。 敷地内に浸透ますを設置することで、下水道への負担を減らすことができます。

透水性舗装と浸透ますの特徴を比較すると以下のようになります。

設備特徴設置費用の目安
透水性舗装舗装面全体から雨水を浸透させる通常舗装の1.2〜1.5倍程度
雨水浸透ます雨どいからの雨水を地中に浸透させる1基あたり数万円〜

ただし、地盤の状態によっては浸透性能が十分に発揮できない場合もあります。 設置を検討する際は、専門業者に相談して敷地の適性を確認してもらうことをおすすめします。

家屋への浸水を防ぐ建築的な対策

建物の構造そのものに浸水対策を施すことで、水害への耐性を高めることができます。 新築やリフォームの際に検討できる建築的な対策をご紹介します。 費用はかかりますが、長期的な視点で見れば効果的な投資となります。

敷地のかさ上げや高床化

道路や周辺の土地より低い位置にある敷地は、雨水が流れ込みやすく浸水リスクが高くなります。 敷地全体をかさ上げすることで、周囲からの雨水流入を防ぐことができます。 新築時に敷地のかさ上げを行う場合は、数十センチ程度の盛り土で効果が期待できます。

家屋の高床化は、建物の床面を地面から高い位置に設ける建築手法です。 基礎部分を高くすることで、浸水深が一定の深さを超えない限り床上浸水を防ぐことができます。 ピロティ構造のように1階部分を駐車場にする設計も、浸水対策として有効です。

敷地周りに塀や防水壁を設ける方法もあります。 敷地の境界に沿って低い塀を設置することで、道路からの雨水流入を防ぐことができます。 これらの対策は専門的な工事が必要となるため、建築士や工務店に相談して進めましょう。

止水板の設置

止水板は、玄関や勝手口、シャッターなどの開口部に設置して浸水を防ぐ設備です。 普段は取り外しておき、大雨の予報が出たときに設置することで建物内への水の浸入を防ぎます。 土のうと比較すると止水性能が高く、繰り返し使用できるのが大きなメリットです。

止水板には様々な種類がありますが、アルミ製の脱着式止水板が一般的に普及しています。 軽量で扱いやすく、女性や高齢者でも短時間で設置できるものが増えています。 価格帯は幅や高さによって異なりますが、小型のものであれば5万円程度から購入可能です。

止水板を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

確認項目確認すべき内容
止水高さ想定される浸水深をカバーできるか
止水性能JIS規格の等級はどの程度か
重量設置する人が運べる重さか
設置方法簡単に設置できる仕組みか
保管場所収納スペースは確保できるか

自治体によっては止水板の購入費用を補助する制度を設けているところもあります。 購入前にお住まいの自治体の補助金制度を確認してみることをおすすめします。

逆流防止弁や圧力開放蓋の取り付け

集中豪雨の際には、下水管が短時間で満水状態になることがあります。 その際、宅内の排水管に空気(圧力)が入り込み、トイレや洗面台からボコボコと音がしたり、封水が跳ね上がったりすることがあります。 こうしたトラブルを防ぐために有効なのが、逆流防止弁や圧力開放蓋の設置です。

逆流防止弁は、宅地内の汚水ますに設置する装置です。 下水管側からの空気や汚水の逆流を防ぎ、宅内への被害を最小限に抑えることができます。 設置場所は公共汚水ますに最も近い汚水ますが一般的です。

圧力開放蓋は、宅地内の排水管内で行き場を失った空気を地上に逃がすための設備です。 通常、宅地内最上流の汚水ます(公共汚水ますから最も遠い位置)に設置すると効果的です。 逆流防止弁と併用することで、より確実な逆流対策が可能になります。

これらの設備の設置は専門的な工事が必要となります。 お住まいの自治体の指定工事店に相談し、敷地の状況に合った対策を検討しましょう。 工事費用は設備や現場の状況によって異なりますが、数万円から十数万円程度が目安です。

効果的な浸水対策グッズ5選

浸水対策に役立つグッズは様々な種類が販売されています。 ここでは、特に効果的な浸水対策グッズを5つ厳選してご紹介します。 それぞれの特徴や止水高さ、価格帯を比較しながら、自分の住まいに合ったグッズを選んでください。

各グッズの特徴を一覧表にまとめると以下のようになります。

グッズ止水高さ目安価格帯特徴
土のう1段で約12cm数百円〜/袋最も手軽で入手しやすい
吸水土のう1段で約10〜14cm数千円/セット軽量・コンパクトで保管しやすい
吸水シート1段で約10〜14cm数千円/セット設置が簡単で素早く対応できる
防水シート70〜130cm数千円〜広い範囲をカバーできる
止水板50〜100cm以上5万円〜高い止水性能で繰り返し使用可能

土のう

土のうは浸水対策の定番グッズとして古くから使われてきました。 土や砂を詰めた袋が水を含んで重くなることで、水の浸入を防ぐ仕組みです。 最も手軽に入手できる浸水対策グッズであり、ホームセンターで土のう袋を購入できます。

土のうを使った浸水対策のメリットは、低コストで始められることです。 土のう袋は1枚数十円から購入でき、中に詰める土や砂は庭から調達することも可能です。 また、形状を自由に変えられるため、様々な場所に対応できる柔軟性があります。

一方で、土のうにはいくつかのデメリットもあります。 土や砂を詰めた状態では重量があり、持ち運びや設置に体力が必要です。 また、保管場所を確保する必要があり、使用後は中身の処分にも手間がかかります。

土のうの設置方法と注意点は以下の通りです。

  • 土のう袋に土や砂を7〜8分目まで詰める
  • 口をしっかりと閉じて形を整える
  • 出入口に隙間なく並べて積み上げる
  • レジャーシートで覆うと止水効果が高まる
  • 使用後は乾燥させてから保管する

自治体によっては土のうステーションを設置し、無料で土のうを配布しているところもあります。 お住まいの地域の取り組みを確認し、活用してみましょう。

吸水土のう

吸水土のうは、水を吸収すると膨張する特殊な素材で作られた土のうです。 通常の土のうと違い、中に土や砂を入れる必要がありません。 使用前は軽量でコンパクトなため、保管場所を取らないのが大きなメリットです。

吸水土のうの仕組みは、吸水性ポリマーの働きによるものです。 水に浸けると数分で膨張し、通常の土のうと同等以上の重量になります。 緊急時に素早く対応できるため、突然の大雨にも慌てずに対処できます。

吸水土のうを使用する際の流れは以下の通りです。

手順作業内容所要時間
1吸水土のうを取り出す数秒
2水に浸けるか、水をかける数分
3膨張を確認して設置場所へ運ぶ数分
4出入口に隙間なく並べる数分

吸水土のうは基本的に使い捨てで、再利用はできません。 使用後は自治体の指示に従って適切に処分する必要があります。 価格は10〜20枚入りのセットで数千円程度が相場です。

吸水シート

吸水シートは、設置するだけで素早く水を吸収するシート状の製品です。 床に置くだけで周囲の水を吸い取ってくれるため、設置に手間がかかりません。 ドアの隙間からの浸水や、窓周りからの雨水の浸入防止に効果を発揮します。

吸水シートは1枚あたり7L程度の水を吸収できるものが多く販売されています。 薄くて軽いため、複数枚を重ねて使用することで吸水量を増やすこともできます。 保管時は折りたたんでコンパクトに収納できるのも魅力です。

吸水シートが活躍する場面としては以下のようなものがあります。

  • 玄関ドアの下部からの浸水防止
  • 窓枠周りからの雨水の浸入防止
  • 地下室や半地下部分の浸水対策
  • 天井からの雨漏り対応

吸水シートも吸水土のうと同様に使い捨てとなります。 価格は10枚入りで3,000円〜5,000円程度が目安です。 緊急時の備えとして、数セット常備しておくと安心でしょう。

防水シート

防水シートは、玄関などの出入口を覆うことで水の浸入を防ぐ製品です。 シートをドアや窓に貼り付けて使用し、建物内への浸水を防ぎます。 軽量な素材で作られているため、力の弱い方でも取り付けが可能です。

防水シートの止水高さは製品によって異なりますが、70cm〜130cm程度のものが一般的です。 シート自体は折りたたんでコンパクトに収納でき、長期保管にも対応しています。 適切に保管すれば5年程度は使用できる製品が多いようです。

防水シートを使用する際の注意点は以下の通りです。

  • 濡れた地面やコンクリートには取り付けにくい
  • 凹凸の多い場所では十分な密着が得られない
  • 取り付けに防水テープが必要な製品もある
  • 設置に時間がかかる場合がある

防水シートは価格が比較的安く、数千円程度から購入できます。 土のうや止水板と併用することで、より確実な浸水対策が可能になります。

止水板

止水板は、浸水対策グッズの中で最も高い止水性能を誇る製品です。 玄関やシャッターなどの開口部に設置することで、建物内への水の浸入を効果的に防ぎます。 土のうと比較すると止水性能は約100倍とも言われています。

止水板の多くはアルミ製で、軽量かつ耐久性に優れています。 高さ50cm程度のものから1m以上の浸水深に対応できるものまで、様々な製品が販売されています。 2段に重ねて使用することで、より深い浸水にも対応できるタイプもあります。

止水板を選ぶ際に確認すべきスペックは以下の通りです。

項目確認ポイント
止水高さ想定浸水深をカバーできるか
設置場所の開口部に合うか
止水性能JIS規格の等級(Ws-1〜Ws-6)
重量設置者が持ち運べるか
設置方法工具不要で簡単に設置できるか

止水板は他のグッズと比べると価格が高く、5万円〜数十万円程度の費用がかかります。 しかし、繰り返し使用できるため、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れています。 自治体によっては購入費用の補助制度を設けているところもあるので、確認してみましょう。

避難時に役立つ防災グッズと服装

浸水被害が発生した際には、状況によっては避難が必要になることもあります。 いざというときに慌てないよう、避難時に必要なグッズや適切な服装を事前に準備しておきましょう。 ここでは、避難時に役立つ防災グッズと服装について詳しく解説します。

非常用持ち出し袋に入れるべきもの

避難時には非常用持ち出し袋を準備しておくことが重要です。 両手が自由に使えるリュックタイプのものを選び、必要なものをまとめておきましょう。 中身は定期的にチェックし、消費期限や使用期限が切れていないか確認することが大切です。

非常用持ち出し袋の中身は大きく分けて「水・食料」「衛生用品」「生活用品」の3つのカテゴリーに分類できます。 すべてを詰め込むと重くなりすぎるため、優先順位をつけて必要なものを厳選しましょう。 一般的な目安として、袋の総重量は男性で15kg以下、女性で10kg以下に抑えることが推奨されています。

水・食料

避難生活で最も重要なのが水と食料の確保です。 飲料水は1人1日3Lが目安とされていますが、持ち出し袋に入れる量は500ml〜1L程度にとどめましょう。 避難所では給水が行われることが多いため、移動中に必要な最低限の量で十分です。

食料は調理不要でそのまま食べられるものを選びましょう。 チョコレートや栄養補助食品、乾パンなどの軽量で日持ちするものがおすすめです。 アレルギーのある方は、普段から食べ慣れているものを準備しておくと安心です。

非常用持ち出し袋に入れる水・食料の例は以下の通りです。

品目目安量ポイント
飲料水500ml〜1Lペットボトルで持ち運びやすいサイズ
携帯食2〜3食分調理不要でそのまま食べられるもの
飴やチョコレート適量エネルギー補給用

保存水や非常食は消費期限が長いものを選び、定期的に入れ替えを行いましょう。

衛生用品

避難生活では衛生状態を保つことが健康維持に直結します。 常備薬がある方は必ず持ち出し袋に入れておきましょう。 マスクや手指消毒用アルコールも感染症予防のために欠かせません。

断水時には入浴や洗顔ができなくなることを想定し、ウエットティッシュや歯磨きシートを準備しておくと便利です。 女性の方は生理用品、小さなお子さんや高齢者がいる家庭では紙おむつも必要になります。 救急セットも入れておくと、ちょっとしたケガの応急処置に役立ちます。

衛生用品のチェックリストは以下の通りです。

  • 常備薬(持病のある方は必須)
  • マスク(複数枚)
  • 手指消毒用アルコール
  • ウエットティッシュ
  • 歯磨きシートまたは口内洗浄液
  • 救急セット(絆創膏、消毒液など)
  • 生理用品(女性)
  • 紙おむつ(乳幼児・高齢者)

生活用品

避難生活を少しでも快適に過ごすために、いくつかの生活用品も準備しておきましょう。 懐中電灯やラジオは情報収集と夜間の移動に必要です。 電池式や手回し充電式のものを選ぶと、電源がない状況でも使用できます。

スマートフォンの充電器も重要な持ち物です。 モバイルバッテリーを充電しておくか、乾電池式の充電器を用意しておきましょう。 携帯トイレは避難所のトイレが混雑した場合や、トイレが使用できない状況で役立ちます。

生活用品として準備すべきものを表にまとめます。

品目用途選び方のポイント
懐中電灯夜間の移動・照明LED式で電池長持ちタイプ
携帯ラジオ情報収集手回し充電式がおすすめ
モバイルバッテリースマホの充電大容量タイプを選ぶ
乾電池各種機器の電源予備を多めに用意
携帯トイレ緊急時のトイレ5〜10回分を目安に
現金(小銭含む)公衆電話・買い物10円玉・100円玉を多めに

ヘルメットや防災ずきんで頭を守る

避難時には足元ばかりに気を取られがちですが、頭部の保護も忘れてはいけません。 強風下では看板や木の枝、瓦などが飛んでくる危険性があります。 ヘルメットや防災ずきんを着用して、頭部を守りながら避難しましょう。

防災用ヘルメットは軽量で折りたためるタイプも販売されています。 収納スペースを取らないため、非常用持ち出し袋と一緒に保管しておくと便利です。 子ども用のサイズもあるので、家族全員分を準備しておきましょう。

ヘルメットや防災ずきんがない場合は、帽子をかぶるだけでも一定の保護効果があります。 厚手の帽子やニット帽など、頭部をある程度覆えるものを代用しましょう。 タオルを頭に巻くことでも、飛来物からのダメージを軽減できます。

避難時の服装は長袖・長ズボンが基本

避難時の服装は、肌の露出を最小限に抑えることが基本です。 長袖・長ズボンを着用し、腕や足を保護しましょう。 半袖や半ズボン、スカートなどは避け、動きやすく丈夫な素材の服を選んでください。

強風や大雨の中を移動する場合は、レインコートの着用も必須です。 体が濡れると体温が低下し、体力が奪われてしまいます。 傘は強風で壊れたり飛ばされたりする危険があるため、レインコートの方が安全です。

避難時の服装で気をつけるべきポイントは以下の通りです。

  • 長袖・長ズボンで肌の露出を抑える
  • 動きやすく丈夫な素材を選ぶ
  • レインコートを着用する(傘は避ける)
  • 明るい色や反射材付きの服だと視認性が高い
  • 着替えを持参しておく

レインコートは蛍光色や反射材付きのものを選ぶと、視界の悪い中でも周囲から見えやすくなります。 避難所に到着した後のために、着替えも1セット持参しておくと安心です。

足元はスニーカーなど動きやすい靴を選ぶ

浸水時の避難では、足元の選び方が非常に重要です。 一見すると長靴が良さそうに思えますが、実は長靴は水害時の避難には向いていません。 水が長靴の中に入ると重くなり、足を取られて転倒する危険性があります。

浸水時の避難に最適なのは、履き慣れたスニーカーや運動靴です。 足をしっかりと覆う形状で、底が厚くグリップ力のあるものを選びましょう。 紐でしっかりと締められるタイプなら、水中でも脱げにくくなります。

避けるべき履き物は以下の通りです。

履き物避けるべき理由
長靴水が入ると重くなり足を取られる
サンダル足の露出が多く怪我のリスクが高い
ヒールのある靴不安定で転倒しやすい
新品の靴靴擦れの原因になる

浸水した道路の下には、マンホールの蓋が外れていたり、側溝の蓋がずれていたりする危険が潜んでいます。 杖や傘などの棒状のもので足元を確認しながら、慎重に移動しましょう。

避難が必要になったときの行動

浸水被害が拡大し、自宅にいることが危険と判断された場合は、速やかに避難する必要があります。 しかし、どのタイミングで避難すべきか、どのように移動すべきかを知っておかないと、かえって危険な状況に陥ることもあります。 ここでは、避難が必要になったときの適切な行動について解説します。

避難のタイミングを見極める目安

避難のタイミングを判断する際には、気象庁や自治体が発表する警戒レベルを参考にしましょう。 警戒レベルは1から5までの5段階で、数字が大きいほど危険度が高いことを示しています。 特に警戒レベル3と4が発表された際には、避難行動を開始する必要があります。

警戒レベルごとの対応を表にまとめると以下のようになります。

警戒レベル状況取るべき行動
レベル1災害への心構えを高める最新情報に注意
レベル2避難行動の確認避難場所・経路を確認
レベル3高齢者等は避難高齢者や障害のある方は避難開始
レベル4全員避難危険な場所から全員避難
レベル5緊急安全確保命を守る最善の行動を取る

警戒レベル4の「避難指示」が発令されたら、対象地域の全員が避難する必要があります。 警戒レベル5は既に災害が発生している状況であり、この段階での屋外への移動はかえって危険です。 警戒レベル4までに避難を完了できるよう、早めの行動を心がけましょう。

浸水時でも自宅待機が安全なケース

すべての状況で避難所への移動が最善とは限りません。 条件によっては、自宅にとどまる「在宅避難」の方が安全な場合もあります。 自宅待機が可能かどうかは、以下の条件を満たしているかどうかで判断しましょう。

自宅待機が安全と考えられる条件は以下の通りです。

  • 自宅が家屋倒壊等氾濫想定区域に入っていない
  • 想定浸水深より居室の床が高い位置にある
  • 水位が下がるまで十分な水・食料の備蓄がある
  • 浸水が長期化しても安全に過ごせる環境がある

たとえば、2階建て以上の住宅で、想定浸水深が1m未満であれば、2階への垂直避難で安全を確保できる可能性があります。 ただし、浸水が長期化する場合は、食料や水の備蓄が十分にあることが前提となります。 また、木造住宅は浸水によって倒壊するリスクがあるため、鉄筋コンクリート造などの堅固な建物の方が安心です。

判断に迷った場合は、自治体が発表する避難情報に従うのが原則です。 避難指示が出ている場合は、自宅待機の条件を満たしていても避難することをおすすめします。

安全に避難するための移動方法

浸水した道路を移動する際には、様々な危険が潜んでいます。 安全に避難するために、正しい移動方法を知っておきましょう。 焦らず慎重に行動することが、命を守ることにつながります。

浸水時の移動で最も注意すべきは、水深の把握です。 膝下程度(約50cm)までの水深であれば、大人は歩いて移動できる場合が多いとされています。 しかし、膝上まで水位がある場合は、水流に足を取られる危険性が高まります。

安全に避難するためのポイントは以下の通りです。

  • 棒状のもので足元を確認しながら進む
  • 側溝やマンホールの位置に注意する
  • 家族やグループで移動する場合はロープで体をつなぐ
  • 水流が速い場所は避けて迂回する
  • 地下道や地下街には絶対に入らない

特に子どもや高齢者は、大人よりも水流に流されやすくなります。 ロープやひもで体をつないで移動することで、流されるリスクを軽減できます。 地下空間は水が流れ込みやすく、一度浸水すると脱出が困難になるため、絶対に近づかないでください。

車での避難は、水深が浅いうちであれば有効ですが、水深が30cmを超えるとエンジンが止まる可能性があります。 水深が50cmを超えると車のドアが開かなくなり、車内に閉じ込められる危険性もあります。 車での移動が難しいと判断したら、無理をせず徒歩での避難に切り替えましょう。

浸水対策には止水板「水用心」が大活躍!

ここまで様々な浸水対策をご紹介してきましたが、最も効果的に建物への浸水を防げるのが止水板です。 その中でも、国内シェアNo.1のアルミメーカーUACJが製造する「水用心」は、高い止水性能と導入しやすい価格を両立した優れた製品です。 簡単に設置できて繰り返し使用できるため、浸水対策の切り札として多くの企業や家庭で採用されています。

「水用心」の最大の特徴は、土のうの約100倍という優れた止水性能です。 JIS A 4716 Ws-3クラス相当の性能を持ち、漏水量は20L/(h・m²)以下に抑えられています。 水圧を利用して自動的に密着する独自の機構により、シンプルな構造ながらも高い止水効果を発揮します。

アルミ製のため軽量で、高さ450mm×幅1,000mmサイズで約6kgという扱いやすさも魅力です。 設置には特別な工具は必要なく、ダブルクリップやノブボルトで固定するだけの簡単作業で完了します。 大人1人で約1分あれば設置できるため、急な大雨にも素早く対応できます。

「水用心」の主な特徴をまとめると以下のようになります。

項目内容
止水性能JIS A 4716 Ws-3クラス相当
材質アルミニウム合金
重量高さ450mm×幅1,000mmで約6kg
止水高さ最大1.1m(2段重ね使用時)
設置時間約1分(大人1人で設置可能)
価格350mm×1,000mmで50,600円(税込)より

自社工場での一貫生産により、他社製品と比較して約20〜90%のコストカットを実現しているのも大きなポイントです。 京都大学との共同実験で性能が実証されており、高品質な製品を手頃な価格で導入できます。 自治体によっては止水板の購入に補助金が使える場合もあるので、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

この記事では、自宅でできる簡単な浸水対策について詳しく解説してきました。 近年、気候変動の影響で台風や集中豪雨による浸水被害が増加しており、どの地域に住んでいても水害への備えは欠かせません。 まずはハザードマップで自宅の浸水リスクを確認し、必要な対策を講じることが大切です。

緊急時の対策としては、簡易水のうの作成や下水の逆流防止、側溝の清掃、貴重品の高所移動などがあります。 いずれも家にあるもので今すぐ実践できる方法ばかりなので、大雨の予報が出たらすぐに行動に移しましょう。 日頃からの備えとしては、雨水貯留タンクの設置や止水板の導入なども効果的です。

避難が必要になった場合に備えて、非常用持ち出し袋の準備も忘れずに行ってください。 警戒レベル4の避難指示が出たら、速やかに避難を開始することが命を守る行動につながります。 長袖・長ズボンとスニーカーを着用し、安全に避難所へ向かいましょう。

浸水対策の中でも特に効果的なのが、止水板「水用心」の設置です。 高い止水性能と簡単な設置方法を兼ね備えており、繰り返し使用できるため長期的なコストパフォーマンスも優れています。 大切な家族と住まいを水害から守るために、ぜひ導入を検討してみてください。