「台風が近づくたびに、重い土嚢を何袋も運ぶのが本当につらい…」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
2025年8月には鹿児島県や熊本県で集中豪雨による工場浸水が相次ぎ、製造ラインの長期停止を余儀なくされる被害が発生しました。
近年の水害被害額は増加傾向にあり、令和元年には約2兆1,800億円と過去最大規模を記録しています。
こうした状況を受けて、多くの家庭や企業が浸水対策の見直しを迫られています。
従来の土嚢は安価で入手しやすい反面、1袋あたり20kg超の重さがあり、準備から設置、使用後の処分まで大きな負担がかかります。
そこで注目されているのが、土嚢以外の浸水対策グッズです。
止水板や吸水土のうなど、軽くて設置が簡単な代替品が続々と登場しています。
この記事では、土嚢に代わる7つの浸水対策グッズを徹底比較し、それぞれの特長や選び方をくわしく解説します。
女性や高齢者でも扱いやすい製品から、広い間口に対応できる本格的な止水設備まで、用途に応じた最適な選択肢が見つかるはずです。
補助金・助成金制度の情報もあわせて紹介しますので、コストを抑えた導入を検討している方もぜひ最後までお読みください。
土嚢による浸水対策の3つの限界

土嚢は古くから水害対策の定番として使われてきましたが、実際に運用してみると多くの課題に直面します。
ここでは、土嚢がかかえる3つの限界について具体的に解説します。
これらの問題点を理解することで、なぜ今、土嚢以外の浸水対策が求められているのかが明確になるでしょう。
重さと運搬の負担|1袋20kg超の重労働
土嚢による浸水対策で最も大きな課題となるのが、その重さです。
一般的な土嚢袋に砂を詰めると、1袋あたり約20kgから25kgにもなります。
この重量は、米袋1袋分に相当する重さであり、何度も持ち上げて運ぶには相当な体力が必要です。
たとえば、玄関の間口を土嚢でふさごうとすると、幅1.6mの開口部に対して最低でも10袋以上が必要になります。
これだけで200kg以上の土嚢を運び、積み上げる作業が発生するのです。
さらに、浸水を防ぐために十分な高さを確保するには、土嚢を2段、3段と積み重ねなければなりません。
建設現場では重機を使って大型土嚢を運搬できますが、一般家庭や店舗での防災はすべて人の手で行う必要があります。
この重労働は腰への負担が大きく、高齢者や女性だけの現場では十分な高さを積む前に体力が尽きてしまうケースも珍しくありません。
緊急時には時間との戦いになるため、設置に時間がかかる土嚢では対応が間に合わないリスクもあります。
土嚢の重さに関する主な問題点をまとめると、以下のとおりです。
- 1袋あたり20kgから25kgの重量があり、運搬に大きな体力を消耗する
- 間口をふさぐには10袋以上が必要で、総重量は200kgを超える
- 高齢者や女性には設置作業が困難で、十分な浸水対策ができない場合がある
- 緊急時に設置が間に合わず、浸水被害を防げないリスクがある
保管と劣化の問題|砂の確保と袋の破損リスク
土嚢を使った浸水対策には、事前準備の段階でも多くの課題があります。
まず直面するのが、砂の確保という問題です。
ホームセンターで土嚢袋だけを購入しても、中に詰める砂がなければ使いものになりません。
台風や大雨が予想されるタイミングでは、多くの人が同じように砂を求めるため、入手困難になることも少なくありません。
かといって、あらかじめ砂を詰めた状態で保管しておくと、別の問題が発生します。
土嚢袋の素材は紫外線に弱く、屋外に置いておくと数ヶ月で劣化が進みます。
いざ使おうとして持ち上げた瞬間に袋が破れ、中身が散乱してしまったという経験をした方も多いでしょう。
また、砂を詰めた土嚢は非常にかさばるため、保管場所の確保も悩みの種です。
一般的な家庭では、10袋分の土嚢を置いておくスペースすら確保が難しいのが現実です。
マンションやアパートにお住まいの場合は、さらに保管場所の選択肢が限られます。
土嚢の保管と劣化に関する問題点は、次の表のとおりです。
| 問題点 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 砂の確保 | 台風シーズンは需要が集中し、入手困難になりやすい |
| 袋の劣化 | 紫外線により数ヶ月で強度が低下し、破損リスクが高まる |
| 保管スペース | 砂入りの土嚢はかさばり、一般家庭での保管が困難 |
| 事前準備の手間 | 砂を詰める作業に時間と労力がかかる |
使用後の処分|自治体で異なる廃棄ルール
土嚢を使った浸水対策で見落とされがちなのが、使用後の処分問題です。
一度水を吸って汚泥を含んだ土嚢は、細菌や悪臭の原因となるため、そのまま放置することはできません。
しかし、多くの自治体では土や砂を一般ゴミとして回収してくれないことをご存じでしょうか。
土嚢の中身を捨てようとしても、通常のゴミ収集日には出せないケースがほとんどです。
自治体によって対応はさまざまで、クリーンセンターへの持ち込みが必要な場合もあれば、専門業者への依頼が求められることもあります。
特に企業の場合、汚れた土嚢は産業廃棄物扱いとなり、高額な処分費用が発生するケースも珍しくありません。
安く作れたと思っていた土嚢が、処分にお金と労力がかかるというのは、土嚢の隠れたデメリットといえます。
また、濡れた土嚢は乾燥させるにも時間がかかり、その間に雑菌が繁殖して衛生面の問題が生じることもあります。
土嚢の処分に関して注意すべきポイントは、以下のとおりです。
- 土や砂は多くの自治体で一般ゴミとして回収されない
- 汚泥を含んだ土嚢は悪臭や雑菌繁殖の原因となる
- 企業の場合は産業廃棄物として処分費用が発生する可能性がある
- 乾燥や処分までに時間と手間がかかる
土嚢以外の浸水対策グッズ7選

土嚢の課題を解決するために、さまざまな代替品が開発されています。
ここでは、土嚢以外で効果的な浸水対策ができるグッズを7つ紹介します。
それぞれの特長や使い方を理解して、自分に合った浸水対策を見つけてください。
止水板(防水板)|設置が簡単で繰り返し使える
止水板は、土嚢に代わる浸水対策として最も注目されている製品です。
アルミやプラスチックなどの素材でできたパネルを出入り口に設置することで、建物内への浸水を防ぎます。
土嚢と比較した最大のメリットは、設置の簡単さと繰り返し使える耐久性です。
製品によっては1人で1分以内に設置できるものもあり、緊急時の対応力が格段に向上します。
止水性能もJIS規格で等級が定められており、土嚢の約100倍の止水効果を発揮する製品も存在します。
JIS A 4716では漏水量によってWs-1からWs-6までの等級が設定されており、数字が大きいほど高い止水性能を持ちます。
止水板は使用後に水道水で洗い流すだけでメンテナンスが完了し、何度でも繰り返し使用できます。
初期費用は土嚢より高くなりますが、長期的に見れば経済的な選択といえるでしょう。
止水板の種類と特長は、次の表のとおりです。
| 種類 | 主な素材 | 設置方法 | 特長 |
|---|---|---|---|
| マグネット式 | アルミ合金 | 磁石で貼り付け | 5秒で設置可能、高い止水性能 |
| 落とし込み式 | アルミ合金 | 支柱に差し込む | 広い間口に対応、2段重ね可能 |
| 簡易パネル式 | プラスチック | パーツを連結 | 角度調整可能、軽量で扱いやすい |
マグネット式止水板の特長
マグネット式止水板は、強力な磁石を使って設置する最もスピーディーなタイプです。
代表的な製品として「スーパー止水番Ⅱ」があり、1人で1.6m幅の間口に約5秒で設置できます。
この速さは土嚢を積み上げる作業と比較すると、圧倒的な時間短縮になります。
止水性能も非常に高く、JIS A 4716のWs-5相当の等級を持つ製品もあります。
Ws-5は漏水量が1時間あたり4リットル以下という基準であり、ほぼ水を通さないレベルの止水力です。
素材には軽量なアルミが採用されており、1m幅タイプで約8kgと持ち運びも楽にできます。
土嚢1袋の半分以下の重さで、女性でも簡単に扱えるのが大きな魅力です。
ただし、マグネット式は設置場所に磁石がつく金属面が必要となります。
L字やカーブのある箇所には設置できないため、設置場所の形状を事前に確認しておくことが重要です。
マグネット式止水板のメリットをまとめると、以下のとおりです。
- 1人で約5秒という驚異的な速さで設置できる
- JIS Ws-5相当の高い止水性能を持つ製品がある
- 軽量アルミ素材で持ち運びが簡単
- 繰り返し使用可能でメンテナンスも容易
簡易止水パネルの特長
簡易止水パネルは、プラスチック製のパーツを連結して使う汎用性の高いタイプです。
代表的な製品として「プラバリア」があり、3つのパーツをつなぐだけで誰でも簡単に設置できます。
最大の特長は、角度を変えて連結できるためL字やカーブにも対応できる点です。
マグネット式では設置できない複雑な形状の場所でも、柔軟に対応できます。
パーツ1つあたりの重量は最大でも4kg程度と非常に軽く、土嚢の約5分の1の重さです。
女性でも簡単に持ち運びができ、保管時は重ねてコンパクトに収納できます。
止水性能はJIS A 4716のWs-1相当で、漏水量は50から200リットル以下とマグネット式には劣ります。
しかし、広い開口部や壁がない場所への部分的な設置にも対応できる柔軟性があります。
洪水の水圧を利用して地面に固定される仕組みになっており、重しを置く必要がありません。
パッキン部分の交換も可能で、長期間にわたって使用できる耐久性も備えています。
簡易止水パネルが適している場所は、以下のとおりです。
- L字やカーブのある出入り口
- 広い間口のシャッター前
- 車や機械の周囲を囲みたい場所
- 避難経路の確保が必要な場所
吸水土のう|水を吸って膨らむ軽量タイプ
吸水土のうは、水を吸収して膨らむ特殊なポリマーを使った新しいタイプの土のうです。
代表的な製品として「アクアブロック」があり、乾燥状態では軽量で持ち運びが簡単にできます。
従来の土のうのように砂を詰める作業が不要で、水に浸すだけで約3分で使用可能な状態になります。
吸水土のうの最大のメリットは、凹凸や段差のある場所でも使用できる点です。
止水板やパネルでは設置が難しい不整地でも、柔軟に対応できます。
高品質な吸水性ポリマーと特殊な網目構造の袋を使用しており、積み重ねても安定感があります。
激しい水の流れや水圧にも耐えられるため、本格的な浸水対策としても活用できます。
保管時は乾燥した状態でコンパクトに収納でき、従来の土のうのような場所を取りません。
吸水土のうと従来の土のうの比較は、次の表のとおりです。
| 項目 | 吸水土のう | 従来の土のう |
|---|---|---|
| 乾燥時の重さ | 約400g程度 | 20kg以上 |
| 準備時間 | 約3分(水に浸すだけ) | 数十分(砂詰め作業) |
| 保管スペース | コンパクト | かさばる |
| 凹凸対応 | 可能 | 可能 |
| 繰り返し使用 | タイプによる | 基本的に使い捨て |
再利用可能タイプと使い捨てタイプの違い
吸水土のうには、再利用可能タイプと使い捨てタイプの2種類があります。
どちらを選ぶかは、使用頻度や予算に応じて検討することが大切です。
再利用可能タイプは、使用後に乾燥させることで繰り返し使用できる製品です。
乾燥には数日から1週間程度かかりますが、2回以上使えるため1シーズンに何度も発生する豪雨や台風への備えに最適です。
初期費用は使い捨てタイプより高くなりますが、長期的に見れば経済的な選択となります。
使い捨てタイプは、1度限りの使用を前提とした安価な製品です。
緊急時のために備蓄しておきたい場合や、初めて吸水土のうを試してみたい場合に適しています。
使用後は自治体のルールに従って廃棄が必要ですが、従来の土のうのように砂の処分に悩むことはありません。
また、連結タイプという選択肢もあります。
これは麻布で2つの吸水部を連結したもので、交互に積み上げることで強固な防壁を作ることができます。
吸水土のうの選び方のポイントは、以下のとおりです。
- 年に複数回使用する可能性がある場合は再利用可能タイプ
- 初期費用を抑えたい場合は使い捨てタイプ
- しっかりとした防壁を作りたい場合は連結タイプ
- 保管スペースが限られている場合はコンパクトな使い捨てタイプ
水のう|ポリ袋と水で手軽に作れる
水のうは、ポリ袋に水を入れて作る最もシンプルな浸水対策グッズです。
特別な製品を購入する必要がなく、自宅にあるものだけで手軽に用意できるのが最大の特長です。
45リットル程度のゴミ袋を二重にして水を入れ、口をしっかり縛るだけで完成します。
水道水を使うため、砂のように入手困難になる心配もありません。
水のうは玄関や勝手口の隙間をふさぐ用途に適しています。
ドアの下部にできるわずかな隙間からの浸水を防ぐ場合に効果を発揮します。
また、トイレや浴室の排水口からの逆流を防ぐためにも使用できます。
下水管が増水すると排水口から汚水が逆流することがありますが、水のうを排水口に置いておくことで防げます。
ただし、水のうの止水性能は土のうや止水板と比較すると限定的です。
大量の浸水を防ぐ用途には向いておらず、あくまで補助的な対策として考えるべきでしょう。
水のうの作り方と使い方は、以下のとおりです。
- 45リットル程度のゴミ袋を2枚重ねにする
- 水道水を半分から7割程度入れる
- 空気を抜きながら口をしっかり縛る
- 玄関ドアの下部や排水口に設置する
- 使用後は水を捨てて袋を処分するだけ
止水シート|玄関や窓の隙間を塞ぐ
止水シートは、玄関ドアや窓の隙間から浸水を防ぐための防水シートです。
ドアや窓枠の下部に貼り付けることで、細かな隙間からの水の侵入をブロックします。
止水板や土のうでは対応しきれない、サッシの隙間や換気口からの浸水対策に効果を発揮します。
素材には防水性の高いゴムやビニールが使われており、水を通しません。
粘着テープ付きのタイプなら、事前に貼っておくだけで緊急時に素早く対応できます。
また、マグネット付きのタイプもあり、金属製のドアや窓枠に簡単に取り付けられます。
止水シートは単体で使うよりも、止水板や水のうと組み合わせて使うことで効果が高まります。
メインの出入り口は止水板で対策し、窓や換気口は止水シートでカバーするという使い分けがおすすめです。
価格も比較的安価で、1枚あたり数百円から数千円程度で購入できます。
保管場所もほとんど取らないため、備蓄しておいても邪魔になりません。
止水シートの活用場所は、次の表のとおりです。
| 設置場所 | 効果 | 注意点 |
|---|---|---|
| 玄関ドアの下部 | ドア下の隙間からの浸水を防止 | ドアの開閉時に剥がれる可能性 |
| 窓サッシの隙間 | サッシからの浸水を防止 | 定期的な交換が必要 |
| 換気口 | 換気口からの浸水を防止 | 長時間使用時は換気に注意 |
| エアコン室外機周辺 | 配管穴からの浸水を防止 | 排水ホースの処理も必要 |
エアー式止水壁|広い間口に対応
エアー式止水壁は、空気を入れて膨らませるタイプの大型止水設備です。
工場や倉庫のシャッター前など、幅の広い間口に対応できるのが最大の特長です。
代表的な製品として「ウォーターフェンス」シリーズがあり、さまざまなサイズが用意されています。
設置方法は非常にシンプルで、製品を広げて水を入れるか空気を入れるだけで完了します。
工事が不要で、アンカーを打つ必要もありません。
製品によっては水圧を利用して地面に固定される仕組みになっており、重しを置く手間も省けます。
高さ0.9mに対応できる製品もあり、本格的な浸水対策として十分な性能を持っています。
使用後は水を抜いて折りたたむことで、コンパクトに収納できます。
素材にはPVC(ポリ塩化ビニル)が使われており、多少の凹凸がある地面でも柔軟に馴染みます。
金属製やパネル式の止水板では対応できない不整地でも、効果を発揮できる点が魅力です。
エアー式止水壁が適している場所は、以下のとおりです。
- 工場や倉庫の大型シャッター前
- 駐車場への浸水を防ぎたい場合
- 機械設備の周囲を囲みたい場合
- 地面に凹凸があり、他の製品が使えない場所
土嚢と代替品の徹底比較表

土嚢以外の浸水対策グッズを紹介しましたが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ここでは、さまざまな観点から各製品を比較し、最適な選択ができるよう情報を整理します。
自分の状況に合った浸水対策グッズを選ぶ参考にしてください。
重さ・設置時間・耐久性で比較
浸水対策グッズを選ぶうえで、重さと設置時間は非常に重要なポイントです。
緊急時に素早く設置できるかどうかが、浸水被害を防げるかどうかを左右するからです。
各製品の重さ・設置時間・耐久性を比較した表は、以下のとおりです。
| 製品 | 1つあたりの重さ | 1.6m幅の設置時間 | 耐久性 |
|---|---|---|---|
| 土嚢 | 20〜25kg | 約70分(複数袋設置) | 1回限り |
| マグネット式止水板 | 約8kg(1m幅) | 約5秒 | 10年以上 |
| 簡易止水パネル | 約4kg(1パーツ) | 約2分 | パッキン交換で長期使用可 |
| 吸水土のう | 約400g(乾燥時) | 約3分(吸水時間含む) | タイプによる |
| 水のう | 約10kg(水入り) | 約5分 | 使い捨て |
| 止水シート | 数百g | 約1分 | 1〜2年 |
| エアー式止水壁 | 約19kg(幅2m) | 約5〜10分 | 素材劣化まで |
この表からわかるように、マグネット式止水板の設置時間はわずか5秒と圧倒的な速さです。
土嚢が約70分かかるのと比較すると、840倍もの時間差があります。
緊急時の対応力を重視するなら、マグネット式止水板が最も優れた選択肢といえるでしょう。
一方、耐久性の面では止水板が優れています。
適切にメンテナンスすれば10年以上使用できるため、長期的なコストパフォーマンスも良好です。
コストと保管スペースで比較

浸水対策グッズの導入を検討するうえで、コストと保管スペースも重要な判断基準です。
初期費用だけでなく、長期的な維持費用も含めて検討することが大切です。
各製品のコストと保管スペースを比較すると、以下のとおりです。
| 製品 | 初期費用(目安) | 維持費用 | 保管スペース |
|---|---|---|---|
| 土嚢 | 数百円/袋 | 処分費用が発生 | 大きい |
| マグネット式止水板 | 5万円〜 | ほぼ不要 | 壁掛け可能 |
| 簡易止水パネル | 3万円〜 | パッキン交換費 | 重ねて収納可 |
| 吸水土のう | 数千円〜 | タイプによる | 乾燥時は小さい |
| 水のう | ほぼ0円 | ほぼ不要 | 袋のみ |
| 止水シート | 数百円〜 | 定期交換費 | ほぼ取らない |
| エアー式止水壁 | 10万円〜 | ほぼ不要 | 折りたたみ可 |
土嚢は初期費用こそ安いですが、使用後の処分費用や毎回の購入費用を考えると、長期的には高くつく可能性があります。
特に企業の場合、産業廃棄物としての処分費用が発生することを忘れてはいけません。
止水板は初期費用が高く感じるかもしれませんが、繰り返し使用できるため長期的にはコストパフォーマンスに優れています。
また、補助金や助成金を活用できる自治体もあり、実質的な負担を抑えることも可能です。
保管スペースの面では、水のうと止水シートが最もコンパクトです。
マンションや収納スペースが限られる住宅でも、問題なく備蓄しておけます。
場所別おすすめ対策グッズ
設置場所によって、最適な浸水対策グッズは異なります。
それぞれの場所に適した製品を選ぶことで、より効果的な浸水対策が可能になります。
場所別のおすすめ対策グッズは、以下のとおりです。
- 一般住宅の玄関:マグネット式止水板または簡易止水パネル
- マンションの共用部:簡易止水パネルまたはエアー式止水壁
- 工場のシャッター前:止水板(落とし込み式)またはエアー式止水壁
- 地下駐車場の入口:止水板(2段重ね対応タイプ)
- 凹凸のある地面:吸水土のうまたはエアー式止水壁
- 窓やサッシの隙間:止水シート
- 排水口の逆流防止:水のう
設置場所を選ぶ際は、間口の幅と地面の状態を確認することが重要です。
平らな地面であれば止水板が最も効果的ですが、凹凸がある場合は吸水土のうやエアー式止水壁を検討しましょう。
また、設置する人の体力も考慮が必要です。
高齢者や女性が設置する可能性がある場合は、軽量な簡易止水パネルや吸水土のうがおすすめです。
浸水対策グッズの選び方

さまざまな浸水対策グッズを紹介してきましたが、自分に最適な製品を選ぶにはどうすればよいでしょうか。
ここでは、3つの観点から選び方のポイントを解説します。
これらを参考に、自分の状況に合った浸水対策グッズを見つけてください。
設置場所の形状で選ぶ|平面・段差・カーブ
浸水対策グッズを選ぶ際に最も重要なのが、設置場所の形状です。
製品によって対応できる形状が異なるため、事前に設置予定場所を確認しておく必要があります。
設置場所が平らな地面の場合は、選択肢が最も広くなります。
マグネット式止水板や落とし込み式止水板など、止水性能の高い製品を使用できます。
止水板は地面とパッキンを密着させて水を止める仕組みのため、平らな地面で最も効果を発揮します。
設置場所に段差がある場合は、対応できる製品が限られます。
吸水土のうやエアー式止水壁のように、柔軟性のある素材でできた製品が適しています。
これらの製品は段差に沿って形を変えられるため、隙間なく設置できます。
設置場所がL字やカーブになっている場合は、簡易止水パネルがおすすめです。
パーツを角度を変えて連結できるため、複雑な形状にも対応できます。
マグネット式止水板は直線的な間口にしか対応できないため、注意が必要です。
設置場所の形状別に適した製品をまとめると、次の表のとおりです。
| 設置場所の形状 | 適した製品 | 適さない製品 |
|---|---|---|
| 平らな地面 | すべての製品 | なし |
| 段差あり | 吸水土のう、エアー式止水壁 | 止水板全般 |
| 凹凸あり | 吸水土のう、エアー式止水壁 | 止水板全般 |
| L字・カーブ | 簡易止水パネル、吸水土のう | マグネット式止水板 |
| 砂利道 | 吸水土のう、エアー式止水壁 | 止水板全般 |
想定浸水深で選ぶ|10cm・30cm・50cm以上
浸水対策グッズは、想定する浸水深に応じて選ぶことも重要です。
浸水深によって必要な製品の高さや止水性能が異なるからです。
想定浸水深が10cm程度の軽微な浸水であれば、水のうや止水シートでも対応できます。
玄関ドアの下部の隙間をふさぐだけで、浸水を防げる場合もあります。
コストをかけずに対策したい場合は、まずこれらの簡易的な製品から始めるのもよいでしょう。
想定浸水深が30cm程度の場合は、止水板や吸水土のうが必要になります。
この深さになると、建物内への浸水で床上浸水となり、家財への被害が発生する可能性があります。
止水板の場合、高さ350mmから450mmの製品で対応できます。
想定浸水深が50cm以上の場合は、より本格的な対策が必要です。
止水板を2段重ねにするか、高さのあるエアー式止水壁の導入を検討しましょう。
止水板「水用心」の場合、2段に重ねることで浸水深1.1mまで対応可能です。
想定浸水深を確認するには、ハザードマップを活用するのが効果的です。
お住まいの自治体が公開しているハザードマップで、浸水想定区域と浸水深を確認できます。
想定浸水深別の対策は、以下のとおりです。
- 10cm程度:水のう、止水シートで対応可能
- 30cm程度:止水板(高さ350〜450mm)、吸水土のうで対応
- 50cm以上:止水板(2段重ね)、エアー式止水壁で対応
- 1m以上:止水板(2段重ね)+複合的な対策が必要
設置する人の体力で選ぶ|女性や高齢者でも可能か
浸水対策グッズを選ぶ際には、実際に設置する人の体力も考慮すべきです。
いくら高性能な製品でも、設置できなければ意味がありません。
女性や高齢者が設置する可能性がある場合は、軽量な製品を選ぶことが重要です。
簡易止水パネル「プラバリア」は1パーツあたり約4kgと軽く、女性でも簡単に持ち運びができます。
吸水土のうも乾燥状態では約400g程度と非常に軽量で、高齢者でも扱いやすい製品です。
一方、マグネット式止水板は1m幅で約8kgと比較的軽量ですが、幅2mの製品になると約14kgになります。
14kgは持ち運べない重さではありませんが、体力に自信がない方には負担になる可能性があります。
設置の難易度も考慮が必要です。
マグネット式止水板は貼り付けるだけで設置完了するため、技術や経験は不要です。
落とし込み式止水板はノブボルトを締める作業が必要ですが、これも特別な技術は必要ありません。
設置する人の体力を考慮した製品選びのポイントは、以下のとおりです。
- 女性1人で設置する場合:簡易止水パネル、吸水土のうがおすすめ
- 高齢者が設置する場合:軽量タイプの止水板、水のうがおすすめ
- 体力に自信がある場合:すべての製品が選択肢になる
- 複数人で設置できる場合:エアー式止水壁も選択肢に入る
浸水対策に使える補助金・助成金制度

浸水対策グッズの導入にあたり、費用面がネックになっている方も多いでしょう。
実は、多くの自治体で浸水対策に対する補助金・助成金制度が設けられています。
ここでは、活用できる制度と申請方法について解説します。
自治体の補助金制度と申請方法

止水板などの浸水対策グッズは、各自治体が設ける補助金制度の対象になることがあります。
補助金を活用すれば、導入費用の一部を自治体が負担してくれるため、実質的なコストを抑えられます。
補助金制度を設けている自治体は全国各地にあり、東北地方から九州地方まで広く分布しています。
たとえば、東京都では足立区、荒川区、板橋区、北区、品川区、杉並区、文京区、港区、目黒区などが補助金制度を設けています。
神奈川県では厚木市、綾瀬市、平塚市など、愛知県では一宮市、稲沢市、江南市、西尾市などが対象自治体です。
補助金の内容は自治体によって異なりますが、一般的には購入費用や設置工事費用の一部が補助されます。
補助率は50%程度、上限額は10万円から30万円程度が多いようです。
申請方法も自治体によって異なりますが、一般的な流れは以下のとおりです。
- 自治体の窓口またはホームページで補助金制度の有無と内容を確認
- 申請書類を入手し、必要事項を記入
- 見積書や製品カタログなど、必要書類を添付
- 申請書類を自治体に提出
- 審査を経て交付決定通知を受領
- 製品の購入・設置を実施
- 実績報告書を提出し、補助金を受領
補助金制度を設けている主な自治体は、次の表のとおりです。
| 地域 | 自治体例 |
|---|---|
| 東北地方 | 福島県いわき市、福島県郡山市、宮城県仙台市、宮城県石巻市 |
| 関東地方 | 東京都各区、神奈川県厚木市、埼玉県朝霧市、千葉県柏市 |
| 中部地方 | 愛知県一宮市、岐阜県美濃加茂市、石川県金沢市、新潟県長岡市 |
| 関西地方 | 大阪府吹田市、兵庫県西宮市、奈良県王寺町、和歌山県有田市 |
| 中国地方 | 広島県広島市、岡山県岡山市、山口県下関市 |
| 九州地方 | 福岡県久留米市、佐賀県武雄市、大分県大分市、鹿児島県志布志市 |
法人向けBCP対策としての導入支援
企業が浸水対策を行う場合、BCP対策として導入支援を受けられることがあります。
BCPとは事業継続計画のことで、災害などの緊急事態が発生した際に事業を継続するための計画です。
水害はBCP策定で取り組みが必要なリスク対策の一つとして位置づけられています。
2025年には鹿児島県や熊本県の工場で浸水被害が発生し、製造ラインの停止や供給への長期的な影響が報告されています。
こうした事態を防ぐため、多くの企業が浸水対策を含むBCP対策に取り組んでいます。
法人向けの導入支援としては、中小企業庁の「事業継続力強化計画」認定制度があります。
この制度の認定を受けると、防災・減災設備に対する税制優遇や低利融資を受けられる場合があります。
また、自治体によっては法人向けの補助金制度を別途設けているところもあります。
法人がBCP対策として浸水対策を導入するメリットは、以下のとおりです。
- 浸水被害による事業停止リスクを軽減できる
- 設備や製品の損害を最小限に抑えられる
- 従業員の安全確保と避難時間の確保に貢献できる
- 税制優遇や低利融資などの支援を受けられる場合がある
- 取引先や顧客からの信頼向上につながる
土嚢に代わる浸水対策は止水板「水用心」がおすすめ

土嚢以外の浸水対策グッズを検討するなら、止水板「水用心」がおすすめです。
「水用心」は国内シェアNo.1のアルミメーカーであるUACJが自社工場で一貫生産している止水板です。
高い止水性能とコストパフォーマンスを両立した製品として、多くの企業や個人に採用されています。
「水用心」の最大の特長は、JIS A 4716のWs-3クラス相当という高い止水性能です。
漏水量は20リットル以下で、土嚢の約100倍の止水効果を発揮します。
水圧を利用して密着させる機構により、シンプルな構造ながら確実に水をせき止めます。
軽量設計も大きな魅力です。
高さ450mm、幅1,000mmのサイズで約6kgと、土嚢1袋の約3分の1の重さです。
特別な工具も不要で、大人1人で約1分で設置できます。
価格面でも優れています。
自社工場での一貫生産により、他社の止水板と比較して約20%から90%のコストカットを実現しています。
高さ350mm、幅1,000mmのタイプが50,600円からと、導入しやすい価格設定です。
「水用心」の主な特長をまとめると、次の表のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製造 | 国内シェアNo.1アルミメーカーの自社工場で一貫生産 |
| 止水性能 | JIS A 4716 Ws-3クラス相当(漏水量20リットル以下) |
| 重量 | 高さ450mm×幅1,000mmで約6kg |
| 設置時間 | 大人1人で約1分 |
| 対応サイズ | 高さ150〜1,100mm、幅500〜3,000mm以上 |
| 価格 | 50,600円から(高さ350mm×幅1,000mm) |
| 保証 | メーカー1年保証付き |
「水用心」は一般住宅の玄関から工場のシャッター前まで、幅広い場所に対応しています。
2段に重ねることで浸水深1.1mまで対応可能で、中間支柱を使えば幅15m程度の大きな開口部もカバーできます。
写真とサイズを送るだけで設置可否と概算見積もりがわかるため、まずは気軽に問い合わせてみることをおすすめします。
まとめ

土嚢は安価で入手しやすい反面、重さや保管、処分に大きな課題があります。
1袋20kg超の重労働、砂の確保と袋の劣化問題、自治体によって異なる廃棄ルールなど、実際に運用するには多くの困難が伴います。
そこで注目されているのが、土嚢以外の浸水対策グッズです。
止水板は設置が簡単で繰り返し使え、マグネット式なら約5秒で設置完了します。
吸水土のうは水を吸って膨らむため砂詰め作業が不要で、凹凸のある場所にも対応できます。
水のうやエアー式止水壁など、用途に応じたさまざまな選択肢があります。
浸水対策グッズを選ぶ際は、設置場所の形状、想定浸水深、設置する人の体力を考慮することが重要です。
平らな地面なら止水板、段差や凹凸がある場所なら吸水土のうやエアー式止水壁が適しています。
多くの自治体で補助金制度が設けられているため、費用面の負担を抑えることも可能です。
土嚢に代わる浸水対策として最もおすすめなのが、止水板「水用心」です。
高い止水性能と導入しやすい価格を両立し、軽量で設置も簡単です。
浸水被害は事前の備えで大きく軽減できます。
大切な財産と家族を守るために、この機会に土嚢以外の浸水対策グッズの導入を検討してみてはいかがでしょうか。



