止水板の設置位置はどこが最適?建物別の選び方を解説

近年、日本各地でゲリラ豪雨や台風による浸水被害が相次いでいます。

国土交通省の「水害統計調査」によると、令和4年の水害被害総額は全国で約6,100億円にのぼり、もはやどの地域でも浸水リスクと無縁ではいられない状況です。

こうしたなか、建物への水の侵入をふせぐ対策として注目されているのが「止水板」です。

しかし、止水板はただ設置すればよいというものではありません。

建物のどの位置に取りつけるかによって、その効果は大きく変わります。

「止水板を導入したいけれど、どこに設置すればよいかわからない」「自分の建物に合った設置位置を知りたい」という方は多いのではないでしょうか。

本記事では、止水板の設置位置を建物の種類別にくわしく解説します。

あわせて、設置できる場所とできない場所の見極め方や、導入前に確認すべきポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

目次 閉じる

止水板の設置位置を決める前に知っておくべき基礎知識

止水板の設置位置を正しく決めるためには、まず基本的な知識をおさえておくことが大切です。

止水板がどのような仕組みで浸水をふせぐのか、どんな場所で被害が起きやすいのかを知ることで、自施設に最適な設置位置が見えてきます。

ここでは、止水板の導入を検討するうえで前提となる3つの基礎知識を解説します。

止水板の役割と浸水被害の仕組み

止水板とは、建物の出入口や開口部に設置して、外部からの水の侵入をふせぐための防災設備です。

おもにアルミニウムやステンレスなどの素材でつくられており、豪雨や洪水のときに建物内部への浸水を最小限におさえる役割をはたします。

浸水被害が起きる仕組みはシンプルです。

大雨によって道路や敷地内に水がたまり、その水位が建物の出入口よりも高くなると、水が建物のなかに流れ込みます。

とくに以下のような場所は、水が集まりやすく被害が深刻になりがちです。

  • 前面道路よりも低い位置にある出入口
  • 地下へつながる階段やスロープ
  • シャッターや扉のすき間がある開口部
  • 排水設備の処理能力をこえた水量が集中する箇所

止水板は、こうした水の侵入経路に物理的なバリアを設けることで、建物内部への浸水をふせぎます。

従来の浸水対策としてよく使われてきた土のうとくらべると、止水板には大きなメリットがあります。

比較項目止水板土のう
設置にかかる時間数分程度30分〜1時間以上
止水性能高い(JIS規格準拠製品あり)低い(すき間から漏水しやすい)
くり返し使用可能基本的に使い捨て
保管スペースコンパクトに収納可能大量のスペースが必要
設置に必要な人数1〜2名複数名が必要な場合が多い

このように、止水板は設置のかんたんさと高い止水性能を両立しており、個人の住宅から大規模な商業施設まで幅ひろく採用されています。

建物を浸水被害からまもるためには、水がどこから侵入しやすいかを把握し、その経路上に止水板を正しく設置することがもっとも重要です。

洪水被害が起きやすい場所の特徴

止水板の設置位置を検討するうえで、まず理解しておきたいのが「どのような場所で洪水被害が起きやすいか」という点です。

洪水とは、豪雨や融雪によって河川の水位があがり、堤防をこえて市街地に水が流れ出す現象を指します。

洪水被害が起きやすいエリアには、いくつかの共通した特徴があります。

  • 河川の近くに位置している
  • 周囲とくらべて標高が低い土地にある
  • 下水道の排水能力が不足している地域にある

河川の近くでは、大雨で水位が急上昇すると氾濫が発生し、周辺の建物に直接的な被害をおよぼします。

また、周囲より標高がひくい土地は、雨水が自然にあつまりやすく、いわゆる「内水氾濫」が起こりやすい特徴があります。

内水氾濫とは、下水道や排水路の処理能力をこえる雨が降ったとき、排水が追いつかずに地表に水があふれる現象です。

近年は都市部でも内水氾濫による被害が増えており、河川から離れた場所でも油断はできません。

とくに注意が必要なのは、以下のような建物や場所です。

被害リスクが高い場所おもな理由
低地にある住宅街周囲から水が集まりやすい
地下施設・地下室わずかな浸水でも被害が甚大になる
河川沿いの工場・倉庫大量の水が短時間で押し寄せる
半地下の駐車場道路面よりも低く、水が流入しやすい

こうした特徴に当てはまる場所に建物がある場合は、止水板による浸水対策を早めに検討することをおすすめします。

被害が起きてからでは対応が遅れるため、平時のうちにリスクを把握し、適切な設置位置をきめておくことが大切です。

ハザードマップで自施設のリスクを確認する方法

止水板をどこに設置すべきかを判断するためには、自施設がどの程度の浸水リスクをかかえているかを事前に確認することが不可欠です。

そこで活用したいのが、各自治体が公開している「ハザードマップ」です。

ハザードマップとは、洪水や土砂災害など、自然災害による被害が想定されるエリアを地図上に示したものです。

国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」を利用すれば、全国どこでもインターネット上で確認できます。

ハザードマップで確認すべきおもなポイントは以下のとおりです。

  • 自施設がある場所の想定浸水深はどのくらいか
  • 浸水が継続する想定時間はどの程度か
  • 浸水の原因は河川氾濫か内水氾濫か
  • 避難経路上に浸水リスクの高いエリアはないか

想定浸水深は、止水板の「止水高」を決めるうえでとくに重要な情報です。

たとえば、想定浸水深が0.5mの地域であれば、最低でも0.5m以上の止水高をもつ製品を選ぶ必要があります。

ハザードマップの確認は、以下の手順で進めるとスムーズです。

  1. 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」にアクセスする
  2. 住所を入力して自施設の位置を表示する
  3. 「洪水」の項目を選び、想定浸水深を確認する
  4. あわせて「内水」の項目も確認し、複合的なリスクを把握する

ハザードマップで得られた情報をもとに、止水板の設置位置と必要な止水高をきめることが、効果的な浸水対策への第一歩です。

なお、ハザードマップはあくまで想定にもとづくものであり、実際の被害がこれを上回る可能性もあります。

余裕をもった対策を講じるためにも、想定浸水深よりもやや高めの止水高を選ぶことが推奨されます。

【建物別】止水板の最適な設置位置一覧

止水板の設置位置は、建物の種類や構造によって大きく異なります。

それぞれの建物には特有の弱点があり、浸水しやすい箇所を的確に見きわめることが、効果的な対策につながります。

ここでは、マンション・一戸建て・工場・オフィスビルの4つの建物タイプごとに、最適な止水板の設置位置をくわしく解説します。

以下の一覧表で、各建物タイプのおもな設置位置を確認したうえで、それぞれのくわしい内容をご覧ください。

建物タイプおもな設置位置
マンション・集合住宅エントランス、共用出入口、地下駐車場入口
一戸建て玄関ガレージ、勝手口
工場・倉庫搬入口、シャッター前
オフィスビルエントランス前、地下出入口、エレベーターホール、電気機械室前

マンション・集合住宅の設置位置

マンションや集合住宅は、多くの住人が暮らす建物であるため、浸水被害が発生すると影響がきわめて広範囲におよびます。

2019年の台風19号では、武蔵小杉のタワーマンションで地下の電気設備が冠水し、エレベーターや水道、電気が長期間にわたって使用できなくなるという深刻な被害が発生しました。

この事例からもわかるように、マンションの浸水対策では地上の出入口だけでなく、地下への水の侵入経路もしっかりとふさぐことが重要です。

上層階に住んでいるからといって安心はできません。

地下にある電気設備やエレベーターの機械室が浸水すれば、建物全体の機能がまひするおそれがあります。

マンション・集合住宅で止水板の設置をとくに検討すべき場所は、おもに2箇所あります。

エントランス・共用出入口

マンションのエントランスは、建物内部に水が侵入するもっとも大きな経路です。

とくに、前面道路からすこし低い位置にエントランスがあるマンションでは、雨水が自然に流れ込みやすく、浸水リスクが高くなります。

エントランスから水が入り込むと、1階の共用部だけでなく、エレベーターシャフトや地下の設備スペースにまで被害がおよぶ可能性があります。

止水板をエントランスの開口部に設置しておくことで、建物内部への水の侵入を初期段階でふせぐことが可能です。

また、エントランス以外にも、非常口や搬入口などの共用出入口があるマンションでは、それらすべての開口部に対策を講じることが理想的です。

水は想定外の経路から侵入することも少なくないため、建物全体の出入口を網羅的にチェックしましょう。

  • エントランスの正面出入口
  • 裏口や非常口
  • 管理室への出入口
  • ゴミ置き場への連絡口

これらの箇所を漏れなく確認し、優先順位をつけて止水板を設置することが、マンション全体の安全をまもる鍵となります。

地下駐車場への入口

マンションに地下駐車場がある場合、そこへの入口は浸水対策のなかでもとくに優先度が高い設置ポイントです。

地下駐車場は道路面よりも低い位置にあるため、大雨のときに水が一気に流れ込むリスクがきわめて高くなります。

一度水が入り始めると、地下空間という閉鎖された環境では排水がおいつかず、短時間で水没してしまうこともめずらしくありません。

地下駐車場が浸水すると、以下のような被害が想定されます。

  • 住人の車両が水没し、修理不能になる
  • 地下に設置された電気機械室が故障し、建物全体の電力供給が止まる
  • エレベーターの機械部分が損傷し、長期間の運転停止となる
  • 排水・復旧に莫大な費用と時間がかかる

止水板は、地下駐車場のスロープ入口や階段の出入口など、水が流れ込む可能性のあるすべての経路に設置することが望ましいです。

スロープ入口は開口部が広いケースが多いため、中間支柱を用いて止水板パネルを連結させ、広い幅に対応できる製品を選ぶとよいでしょう。

マンションの資産価値をまもるうえでも、地下駐車場への止水板設置は欠かせない対策です。

マンションに止水板の設置をご検討の方はこちらのページをご覧ください

一戸建ての設置位置

一戸建て住宅は、マンションとくらべて建物の構造がシンプルなぶん、止水板を設置すべきポイントは比較的わかりやすいといえます。

しかし、だからこそ対策がおろそかになりがちな面もあります。

一戸建ての場合、いちど浸水被害をうけると家財道具や床下の構造材にまでダメージがおよび、修復に多額の費用がかかることがすくなくありません。

住宅の資産価値を維持し、長くすみ続けるためにも、適切な位置への止水板設置が重要です。

玄関まわり

一戸建てにおいて、もっとも優先的に止水板を設置すべき場所は玄関まわりです。

玄関は人の出入りのために開口部が大きく、そのぶん水が侵入しやすい構造になっています。

とくに、前面道路から一段さがった位置に玄関がある住宅では、道路にたまった雨水が勢いよく流れ込む危険性があります。

玄関から水が入ると、廊下を通じて建物全体に浸水被害がひろがるため、この箇所をまもることが住宅全体の防御に直結します。

一戸建て向けの止水板は、軽量でかんたんに設置できる脱着式の製品がおおく販売されています。

日常的には取りはずしておき、大雨の予報が出たときにすばやく設置できるタイプが人気です。

玄関まわりで止水板の設置を検討すべき箇所は、以下のとおりです。

  • 玄関ドアの前面
  • 玄関ポーチから室内につながる段差部分
  • 玄関横の窓や通気口

とくに、玄関ドアの下部にわずかなすき間がある場合は、そこから水が浸入してくることもあるため、止水板でしっかりとカバーすることが大切です。

ガレージ・勝手口

玄関とあわせて対策が必要なのが、ガレージと勝手口です。

ガレージは車両の出入りのために開口部が広く、シャッターを閉めていてもすき間から水が侵入しやすい構造をしています。

とくに、半地下タイプのビルトインガレージをもつ住宅は注意が必要です。

道路面よりも低い位置にあるガレージには、大雨時に水が自然に流れ込み、車両や収納物が水没するリスクがあります。

ガレージのタイプ浸水リスクおすすめの対策
半地下ビルトインガレージきわめて高い止水板の設置を最優先で検討
道路と同じ高さのガレージ中程度止水板の設置を推奨
道路よりも高い位置のガレージ比較的低い必要に応じて検討

勝手口についても、見落としがちですが重要な設置ポイントです。

勝手口は建物の裏側や側面にあることがおおく、ふだんあまり意識しない場所ですが、水は建物のあらゆる開口部から侵入します。

玄関に止水板を設置しても、勝手口が無防備であれば、そこから水が入り込んでしまいます。

建物全体を守るためには、すべての開口部を総合的にチェックし、対策することが大切です。

また、地下室がある一戸建ての場合は、ドライエリア(地下室に光や空気をとりこむための空間)からの浸水にもご注意ください。

一戸建てに止水板の設置をご検討の方はこちらのページをご覧ください

工場・倉庫の設置位置

工場や倉庫は、精密機械や製品在庫など、水に濡れてはならないものが大量に保管されている施設です。

ひとたび浸水被害が発生すると、製造ラインの停止、在庫の損失、顧客への納品遅延など、経済的な損害がきわめて大きくなります。

また、化学薬品をあつかう工場では、浸水によって有害物質が流出するリスクもあり、周辺環境への影響も懸念されます。

こうした被害を未然にふせぐため、工場・倉庫では水の侵入経路となる開口部への止水板設置が不可欠です。

搬入口・シャッター前

工場や倉庫で止水板をまず設置すべきなのは、搬入口とシャッター前です。

搬入口は資材や製品の搬出入のために大きな開口部が設けられており、浸水時にはここが最大の水の侵入経路になります。

シャッターを閉めた状態でも、シャッターの下部やレール部分にはわずかなすき間が存在し、そこから水が入り込むことがあります。

セキュリティ上のりゆうから頑丈なシャッターを設置している工場は多いですが、通常のシャッターには止水機能がそなわっていない場合がほとんどです。

止水板をシャッター前に設置することで、防犯対策と浸水対策を同時に実現できます。

工場・倉庫で止水板の設置を検討すべき箇所の優先順位は、以下のとおりです。

  • 搬入口(もっとも開口面積が大きく、最優先で対策すべき箇所)
  • シャッター前(シャッターのすき間からの浸水をふせぐ)
  • 通用口・従業員出入口(搬入口に次ぐ水の侵入経路)
  • 機械室や電気室の出入口(設備保護のために対策が必要)

工場や倉庫の搬入口は、幅が3mをこえる大型の開口部であることがすくなくありません。

こうした広い間口に対応するためには、中間支柱を用いて止水板パネルを連結できる製品が適しています。

製品の選定にあたっては、設置場所の間口の幅と想定浸水深を正確に測ったうえで、メーカーや施工業者に相談するとよいでしょう。

事業継続計画(BCP)の一環としても、止水板の導入はきわめて有効な対策です。

工場・倉庫に止水板の設置をご検討の方はこちらのページをご覧ください

オフィスビルの設置位置

オフィスビルは、パソコンやサーバー、重要書類など、水損によって致命的なダメージをうける資産が密集している建物です。

浸水によってこれらが被害をうければ、業務データの消失、取引先への対応の遅れ、復旧にかかる莫大なコストなど、事業にあたえる影響ははかりしれません。

オフィスビルでは、建物の構造が複雑で出入口が複数あるため、止水板を設置すべき箇所も多岐にわたります。

以下の4つの重要ポイントを中心に、網羅的な対策を進めましょう。

エントランス前

オフィスビルのエントランスは、ビル全体への水の侵入を最初にくいとめるべき防御ラインです。

エントランスからの浸水を許してしまうと、1階フロア全体にくわえて、エレベーターシャフトや階段を通じて地下フロアにまで被害がひろがります。

自動ドアが設置されているエントランスでは、ドアのすき間から水が侵入しやすいため、とくに注意が必要です。

止水板をエントランス前に設置する際のポイントは、以下のとおりです。

  • 自動ドアの外側に設置し、ドアの開閉に支障がないことを確認する
  • 屋内側に設置できるタイプの製品を選べば、外開きのドアでもドアの開閉と止水を両立できる
  • エントランスの幅が広い場合は、中間支柱で止水板を連結して対応する
  • 設置訓練を定期的に実施し、有事の際にすばやく展開できるよう準備する

オフィスビル内のパソコンやサーバーなどの精密機器をまもるために、エントランスへの止水板設置は最優先で取りくむべき対策です。

地下出入口

地上よりも低い位置にある地下出入口は、浸水時に水がもっとも流れ込みやすい場所のひとつです。

地下駐車場、地下鉄への連絡口、地下の商業フロアへの出入口など、ビルによってさまざまな地下出入口が存在します。

地下空間は、いちど水が入ると自然に排水されにくいため、浸水被害が長期化しやすいという特徴があります。

復旧にも多くの時間と費用がかかるため、止水板による事前対策の優先度はきわめて高いといえます。

地下出入口で止水板を設置する際に確認すべきポイントは、以下のとおりです。

確認項目内容
出入口の数すべての地下出入口を洗い出す
開口部の幅と高さ必要な止水板のサイズを特定する
想定浸水深ハザードマップで確認し、十分な止水高の製品を選ぶ
設置面の状態平坦か、段差や傾斜がないかを確認する

地下の安全を確保するためには、すべての出入口に止水板を設置することが理想的です。

ひとつでも無防備な出入口があると、そこから水が侵入して地下全体に被害がおよぶ可能性があります。

エレベーターホール

エレベーターは、浸水被害をうけると水をすべて汲みだすまで稼働できなくなり、大きな損害につながります。

近年のエレベーターは駆動モーターが地下に設置されているケースがおおく、水が流れ込むとモーターが故障してしまう危険性があります。

エレベーターが停止すると、高層ビルではとくに影響が大きく、テナントの業務に長期間にわたって支障をきたすおそれがあります。

修理にかかるコストも高額で、数百万円から数千万円規模の出費になるケースもめずらしくありません。

エレベーターホールへの止水板設置は、以下のような手順で検討しましょう。

  • エレベーターの設置階と機械室の位置を確認する
  • とくに地下や1階にあるエレベーターホールを重点的に対策する
  • エレベーターシャフトへの水の侵入を防ぐため、ホールの出入口に止水板を設置する
  • 機械室が地下にある場合は、機械室の出入口にも別途対策をおこなう

エレベーターの復旧には長い時間がかかるため、事前に止水板を設置してリスクを回避することが、結果的にもっともコストパフォーマンスの高い対策となります。

電気機械室前

電気機械室は、ビル全体の電力供給をになう中枢設備が集約されている場所です。

ここが浸水すると、ビル全体の電気系統が故障・破損し、照明、空調、エレベーター、防災設備など、あらゆる設備が停止するおそれがあります。

電気機械室は建物の地下や1階に設置されていることがおおく、浸水リスクが高い位置にあるケースが目立ちます。

建物の設計段階で浸水リスクが低い場所に電気機械室を設けることは当然重要ですが、既存の建物ではかんたんに移設できません。

そのため、電気機械室の出入口に止水板を設置し、水の侵入をふせぐことが現実的かつ効果的な対策となります。

電気機械室前への止水板設置において注意すべき点は、以下のとおりです。

注意点具体的な内容
設置位置の正確性機械室の出入口にすき間なく設置する
止水高の十分な確保想定浸水深よりも余裕をもたせた高さの製品を選ぶ
緊急時のアクセス確保止水板設置後も機械室への緊急アクセスが可能な製品を選ぶ
定期的な設置訓練有事の際にすばやく対応できるよう、ビル管理者が訓練をおこなう

電気機械室が被害をうければビル全体の機能が停止するため、この箇所への止水板設置はオフィスビルの浸水対策のなかでも最重要項目のひとつです。

止水板を設置できる場所・できない場所の見極め方

止水板は多くの建物に設置可能ですが、すべての場所に設置できるわけではありません。

設置場所の構造や条件によっては、止水板が十分な効果を発揮できないケースもあります。

導入を検討する際は、設置に適した条件と設置が難しいケースの両方を理解し、適切に判断することが大切です。

設置に適した構造条件とは

止水板を効果的に設置するためには、設置場所がいくつかの構造条件を満たしていることが必要です。

これらの条件が整っていれば、止水板は本来の性能を最大限に発揮し、確実な浸水対策が期待できます。

止水板の設置に適したおもな構造条件は、以下のとおりです。

構造条件くわしい説明
設置面が平坦であること止水板と床面のあいだにすき間ができないよう、設置面はできるだけフラットであることが理想的
両側に支柱を固定できる壁や柱があること止水板を固定するためには、開口部の両側に支柱を取りつける壁面や柱が必要
開口部の幅が製品の対応範囲内であること製品によって対応できる幅は異なるため、事前に間口を計測しておく
壁面の強度が十分であること支柱の固定には壁面にアンカーを打ち込む場合があるため、壁の材質や強度を確認する

これらの条件に加えて、止水板の設置後もドアやシャッターの開閉ができるかどうかも重要なチェックポイントです。

屋内側に設置できる製品を選べば、外開きの扉がある場所でも止水板を設置したまま扉の開閉が可能になります。

設置の可否を判断する際は、写真と間口の寸法をメーカーや施工業者に送れば、概算の見積もりとあわせて設置可否の回答をもらえます。

自分で判断がむずかしい場合は、現地調査を依頼して専門家に確認してもらうのがもっとも確実な方法です。

設置が難しいケースと代替策

すべての場所に止水板を設置できるわけではありません。

以下のようなケースでは、設置が困難であったり、止水板だけでは十分な対策にならなかったりする場合があります。

  • 設置面に大きな段差やかたむきがある場合
  • 壁面の強度が不足しており、支柱を固定できない場合
  • 開口部の形状が複雑で、標準的な止水板では対応できない場合
  • 想定浸水深がきわめて深く、止水板の止水高では対応しきれない場合
  • 設置面に障害物があり、止水板を隙間なく取りつけられない場合

ただし、近年の止水板は技術の進歩により対応力が大幅に向上しています。

設置面がななめになっている場合や障害物が存在する場合、また広範囲をぐるりと囲みたいといった環境でも、柔軟に対応できる製品が増えています。

一見すると設置がむずかしいように見える場所でも、メーカーに相談すれば対応策が見つかることは少なくありません。

それでも止水板だけでは対策が不十分な場合は、以下のような代替策や併用策を検討しましょう。

代替策・併用策概要
防水シャッター開口部全体をカバーする防水仕様のシャッターを設置する
防水扉出入口を防水性能のある扉に交換する
止水壁敷地全体を囲む形で止水壁を構築する
ポンプによる排水浸水した水をポンプですばやく排出するシステムを導入する
複数の対策の組み合わせ止水板と排水ポンプなど、複数の対策を併用して防御力を高める

最適な対策は建物の構造や立地条件によって異なるため、専門の施工業者に相談したうえで総合的な浸水対策プランを立てることをおすすめします。

止水板の導入前に確認すべきポイント

止水板を効果的に活用するためには、製品を購入する前にいくつかの重要なポイントを確認する必要があります。

事前の確認が不十分なまま導入してしまうと、想定していた効果が得られず、いざというときに浸水被害をふせげないおそれがあります。

ここでは、止水板の導入を検討している方にぜひ確認していただきたい3つのポイントを解説します。

浸水想定から必要な止水高を調べる

止水板を選ぶうえでもっとも重要な指標のひとつが「止水高」です。

止水高とは、止水板が対応できる水の高さのことで、製品によってその数値は異なります。

必要な止水高は、設置場所のハザードマップで確認できる想定浸水深をもとに判断します。

たとえば、想定浸水深が0.5mの地域であれば、最低でも0.5m以上の止水高をもつ製品を選ぶべきです。

ただし、想定浸水深はあくまで予測値であり、実際の被害がこれを上回る可能性もあるため、余裕をもたせた止水高を選ぶことが推奨されます。

止水高の選定にあたって確認すべき項目は、以下のとおりです。

確認項目確認方法
想定浸水深ハザードマップポータルサイトで確認
過去の浸水実績自治体の防災担当部署に問い合わせ
設置場所の地盤高前面道路との高低差を実測
周辺の排水状況下水道の整備状況を自治体に確認

また、止水板を2段に重ねて設置できる製品であれば、浸水深が1mをこえるような場合にも対応可能です。

地下施設をかかえている建物や、水が流れ込みやすい構造の場合は、より高性能な止水板の導入を検討しましょう。

一方で、止水板だけでは対策しきれないほどの浸水が想定される場合は、防水シャッターや防水扉といった別の設備との併用も視野に入れる必要があります。

補助金・助成金制度の活用方法

止水板の導入にあたっては、補助金や助成金の制度を活用することで、費用負担を大幅に軽減できる場合があります。

近年は大雨の頻発にともない、住民に自主的な浸水対策をうながす自治体が増えており、止水板の購入・設置に対して補助金を交付している地域も少なくありません。

補助金制度の内容は自治体によってさまざまですが、一般的には以下のような項目が定められています。

項目おもな内容
交付対象個人住宅、マンション管理組合、中小企業など
補助率購入・設置費用の2分の1〜3分の2程度が一般的
上限額数万円〜数十万円(自治体により異なる)
申請時期年度ごとに受付期間が設定されていることが多い
必要書類見積書、設置計画書、建物の図面など

補助金を活用するためには、製品の購入前に申請が必要なケースがほとんどです。

先に購入してしまうと補助金の対象外となる場合があるため、導入を検討し始めた段階で自治体の公式サイトを確認するか、窓口に問い合わせることをおすすめします。

補助金の有無や金額は地域によって異なるため、まずは設置場所の自治体に確認してみましょう。

活用できる制度があれば、より品質の高い止水板を費用をおさえて導入することが可能になります。

設置業者を選ぶ際の注意点

止水板の効果を最大限に発揮させるためには、信頼できる施工業者を選ぶことも重要なポイントです。

止水板は製品そのものの性能だけでなく、設置の精度によって止水効果が大きく左右されます。

施工業者を選ぶ際に確認すべきおもなポイントは、以下のとおりです。

  • 止水板の施工実績が豊富であるか
  • 現地調査をおこなったうえで最適な設置位置を提案してくれるか
  • 設置場所の構造にあわせたカスタマイズ対応が可能か
  • アフターサポートやメンテナンス体制が整っているか
  • メーカー保証の内容がしっかりしているか

とくに注意したいのは、現地調査を省略してカタログだけで製品を提案する業者です。

止水板の設置は建物ごとに条件が異なるため、実際に現場を確認せずに適切な対応をすることは困難です。

現地調査を実施し、設置場所の壁の構造や床面の状態、開口部の寸法を正確に計測したうえで提案をおこなう業者を選びましょう。

また、設置後の設置訓練や取りつけ方の説明会を実施してくれる業者であれば、有事の際にも安心です。

止水板はいざというときに正しく設置できなければ意味がないため、ふだんから設置訓練をおこなっておくことが大切です。

信頼できる業者をパートナーに選ぶことが、効果的な浸水対策の実現につながります。

浸水対策のご相談は止水板「水用心」施工店の三恵工業へ!

浸水対策を本格的に進めたいと思っても、「どこに相談すればいいかわからない」「自宅に合った方法がわからない」と悩む方は多いのではないでしょうか。

そんなときは、止水板「水用心」の施工代理店である三恵工業株式会社にご相談ください。 止水板の設置はもちろん、お住まいの状況に合わせた浸水対策全般について幅広くご提案が可能です。

三恵工業に相談するメリット

三恵工業は「水用心」の施工店として、数多くの現場で浸水対策の工事を手がけてきた実績があります。 相談するメリットは大きく3つあります。

1つ目は、現地の状況を踏まえた最適な提案を受けられることです。 浸水対策は建物の構造や立地、想定される水深によって最適解が変わります。 三恵工業では開口部の写真と間口のサイズを送るだけで設置可否と概算見積もりを確認でき、必要に応じて全国どこでも無料で現地調査に対応しています。

2つ目は、止水板以外の浸水対策工事もまとめて相談できることです。 止水板の設置だけでなく、建物の状況に応じた防水工事や排水設備の改善など、浸水リスクを総合的に減らすための提案を受けられます。 「何から手をつければいいかわからない」という段階からでも気軽に相談できるのが心強いポイントです。

3つ目は、専門の職人スタッフによるスピーディーな施工です。 経験豊富な職人が効率的に作業を進めるため、工事による業務や生活への影響を最小限に抑えられます。 営業時間や生活スタイルに合わせた柔軟なスケジュール調整にも対応しています。

取り扱い止水板「水用心」の特徴

三恵工業が施工する止水板「水用心」は、国内シェアNo.1のアルミメーカーUACJが自社工場で一貫生産する高品質な製品です。

特徴内容
止水性能JIS A 4716 Ws-3クラス相当(土のうの約100倍)
価格50,600円(税込)〜 / 他社比最大約60%コスト削減
重量約4kg〜(高さ350mm×幅1,000mmの場合)
設置時間大人1人で約1分・特別な工具不要
対応浸水深さ最大1.1m(2段重ね時)
サイズ対応高さ150〜550mm / 幅500〜3,000mm(1mm刻みでオーダー可能)
保証メーカー1年保証付き

水圧を利用して密着する独自の機構により、シンプルな構造ながら土のうの約100倍の止水力を実現しています。 京都大学との共同実験で浸水深さ2mの強度テストもクリアしており、性能面の信頼性は折り紙付きです。

設置方法も以下の4タイプから、現場の条件に合ったものを選択できます。

  • ダブルクリップ仕様:もっとも安価で、クリップで挟むだけの手軽さ
  • 落とし込み(ノブボルト)仕様:採用実績がもっとも多く、屋内外どちらにも対応
  • 落とし込み(ハンドル)仕様:ノブボルトよりさらに素早く固定できる
  • マグネット仕様:取付工事が不要で、個人でも設置作業が可能

止水板「水用心」の製品詳細はこちらのページをご覧ください

止水板「水用心」の設置事例

三恵工業では、住宅から店舗、工場までさまざまな建物への止水板設置を手がけています。 実際の施工事例をいくつかご紹介します。

公共施設の出入口への設置

人の出入りが多い公共施設では、普段の通行を妨げず、いざという時にすぐ設置できることが重要です。 落とし込み仕様であれば、平常時は支柱だけが残る状態になるため、施設の外観や利便性をほとんど損ないません。

施工事例の詳細はこちら

倉庫の搬入口への設置

倉庫や工場では、エレベーター前から地下フロアへ水が流れ込むケースが少なくありません。 止水板を設置することで、地下の在庫や設備を浸水被害から守ることができます。 限られたスペースでも設置可能なサイズにカスタマイズできるのが「水用心」の強みです。

施工事例の詳細はこちら

会社玄関の自動ドア前への設置

自動ドアは構造上すき間が多く、浸水リスクが高い箇所のひとつです。 「水用心」は屋内側への設置にも対応しているため、外開きの自動ドアでも止水板を設置したまま開閉・通行が可能です。 オフィスや店舗の入口など、営業を止めずに浸水対策をしたい方におすすめの設置方法です。

施工事例の詳細はこちら

まずは無料見積もりからお気軽にどうぞ

三恵工業では、全国各地域から最短即日〜4日以内で見積もりに対応しています。 自治体によっては止水板の購入費に補助金制度が使える場合もあるため、費用面の不安がある方もまずは相談してみる価値があります。

お問い合わせはお電話またはホームページのお問い合わせフォームから可能です。

「台風シーズンの前に対策しておきたい」「うちの建物にも止水板を付けられるか知りたい」など、浸水対策に関することなら何でもお気軽にご連絡ください。


まとめ

本記事では、止水板の設置位置について建物の種類別にくわしく解説しました。

止水板の効果を最大限に引き出すためには、建物ごとの浸水リスクを正しく把握し、もっとも水が侵入しやすい箇所に適切に設置することが不可欠です。

記事のおもなポイントをあらためて整理します。

マンションではエントランスや地下駐車場の入口、一戸建てでは玄関やガレージ、工場・倉庫では搬入口やシャッター前、オフィスビルではエントランス前、地下出入口、エレベーターホール、電気機械室前が、それぞれ優先的に対策すべき設置位置です。

設置の検討にあたっては、ハザードマップで自施設の浸水リスクを確認し、想定浸水深にもとづいた止水高の製品を選ぶことが大切です。

補助金制度の活用や信頼できる施工業者の選定も、導入を成功させるための重要な要素となります。

浸水被害は、いつどこで起きてもおかしくない時代になっています。

「まだ大丈夫」と先延ばしにするのではなく、被害が起きる前にしっかりと対策を講じましょう。

止水板の設置位置や製品選びでお悩みの方は、「水用心」の施工代理店である三恵工業にお気軽にご相談ください。

専門スタッフが、あなたの建物にもっとも適した浸水対策をご提案いたします。